末の事(まつのこと) 徳水山 真壽寺 ブログ

砺波市出町にある真宗大谷派の寺院です。1649年開基と伝わる念仏道場としてのお寺です。徳水山真壽寺と申します。ですが、あだ名として、まつじ として呼ばれる事が多く、もしかしたら まつじ の方が通りが良かったりします。

二種回向の壱

浄土真宗の特徴というか、これぞ浄土真宗という主眼になります。

教行信証の教の巻、冒頭に、

『謹んで浄土真宗を按ずるに、二種の回向あり、一には徃相、二には還相なり』とあります。以下のように。

真宗聖典

親鸞聖人の書き残された書物のうち、最も重要なものは教行信証というものです。

その中の、教の巻、に先の文章があります。東本願寺に伝わる板東本と言われるものでは、教の巻が破損しており、一部の文字しか残っていないのです。板東本は親鸞聖人の真蹟であることは間違いのない事ですが、その後、書写を許された弟子による書写本も残っています。

恵心坊専海という方が書写を許され、そのご高田門徒の高田専修寺第二世真仏上人がこれを書写したものが残されています。通称、専修寺本。

そして、親鸞聖人が亡くなった後、十三年後に、板東本が書写され、その書写本が西本願寺に残されています。通称、清書本。

板東本では、わからなくなってしまった文字が、その他の書写本があることで、正確な文章が今に伝わっているのです。

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話を戻します。

『謹んで浄土真宗を按ずるに、二種の回向あり、一には徃相、二には還相なり』

突然、聞くとなんのことだか、わかりませんね。

言葉がわかりません。回向とはなんなのか、往相とはなんなのか、還相とは?

 

回向とは元々、此方のものを彼方へ振り向ける事です。人間の感覚だと、自分が努力して善根を積み、それを振り向ける事で、仏になる因とする事です。これが一般的理解。親鸞聖人は違います。浄土教の教えは違います。

仏の方で成就された功徳を衆生の方に振り向けて下さる事です。他力回向とも言います。

さらにそれに、二種あるというのです。

 

なんだか、わからなくなってきたので、ここまで。