えきれい
浄土真宗の八代目門主といえば、蓮如上人です。蓮如上人は、御文という形で、教えを解きました。その文章が、今も大切に読み継がれています。
その一つに、えきれいという御文がございます。
漢字でかくと、疫癘となります。
その原文を下に。
当時このごろ、ことのほかに疫癘とてひと死去す。これさらに疫癘によりてはじめて死するにはあらず。生れはじめしよりして定まれる定業なり。さのみふかくおどろくまじきことなり。
しかれども、今の時分にあたりて死去するときは、さもありぬべきやうにみなひとおもへり。これまことに道理ぞかし。このゆゑに阿弥陀如来の仰せられけるやうは、「末代の凡夫罪業のわれらたらんもの、罪はいかほどふかくとも、われを一心にたのまん衆生をば、かならずすくふべし」と仰せられたり。かかるときはいよいよ阿弥陀仏をふかくたのみまゐらせて、極楽に往生すべしとおもひとりて、一向一心に弥陀をたふときことと疑ふこころ露ちりほどももつまじきことなり。
かくのごとくこころえのうへには、ねてもさめても南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏と申すは、かやうにやすくたすけまします御ありがたさ御うれしさを申す御礼のこころなり。これをすなはち仏恩報謝の念仏とは申すなり。あなかしこ、あなかしこ。
いかがでしょう?なんて冷たい言葉を発するのかと思われますか?それとも、納得して、聞き入れられますか?
いろんな立場、状況で、聞こえ方は変わってくると思います。
でも、噛み締めてもらいたい御文です。
正しくとらえるというより、感じた気持ちを大事にしていただきたいと思います。