末の事(まつのこと) 徳水山 真壽寺 ブログ

砺波市出町にある真宗大谷派の寺院です。1649年開基と伝わる念仏道場としてのお寺です。徳水山真壽寺と申します。ですが、あだ名として、まつじ として呼ばれる事が多く、もしかしたら まつじ の方が通りが良かったりします。

人は死ねばゴミになる 伊藤栄樹著 読後

立花隆の本を読んでいて、気になった本である。久しぶりに、悪性腫瘍の入院患者を対応した気分になった。昭和62年から昭和63年くらいの物語である。刺激的な題名なので、敬虔な宗教者からは、批判を浴びたのだろうなあと想像する。f:id:defender-mini:20231217220455j:image

著者は、検察のトップ、検事総長であり、過去には、たくさんの事件の裁判に、関わっているすごい人である。日本の昭和史に大きく関わる人物であり、ロッキード事件や、金大中事件日本赤軍によるハーグ事件など、その時、国民や世界の注目が集まった事件を担当して、日本の正義を守って来た方である。

 

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死ねばゴミになると表現したのは、死後の世界を否定し、霊魂を否定しているという意味で、おっしゃられたように思う。

 

自分の肉体の消滅について、唯物論として認識されているのだけど、友人や知人の葬儀は、非常に大切にされている。

 

また、自分の存在に関わった方に対して、非常に恩義を感じておられ、むしろ義理がたい背筋の伸びた古武士のような人物像である。

 

著者の実家は、浄土真宗とのご縁があったようだけれども、残念ながら、仏教に触れるお時間は山下無かったようで、著者の仏教認識が不足しているだけで、とても凛とした死生観のように思う。

 

第二次世界大戦を生き延び、何度も死を覚悟する事があったからこその、病による死と向き合った記録であった。

 

素敵だなあ。

心に残る著作でした。